ニワトリを飼育したら生ごみが発生しなくなった話
ホームセンターの配合飼料を買わずとも地域の未利用資源の飼料化すれば家庭養鶏は成立します。そしてニワトリを飼育すれば生ゴミもほとんど発生しなくなります。
野菜の皮をはじめ、魚の内臓や残飯もニワトリにとってはごちそうです。揚げ物を調理した時の油も米糠等と混ぜれば食べてくれるのでテンプル(廃油処理剤)要らずです。ニワトリがついばんでちぎれないものは細かく切って餌に混ぜれば食いつきも良くなります。
飼料利用できる地域の未利用資源
地域を見渡すと、ニワトリの餌として以下を集めることができます。
- 家庭の生ごみ(野菜くずや魚の内臓、残飯等)
- 青草(草刈りで切り捨てる雑草)
- くず米(お米の選別時に発生、米農家さんからもらえる)
- 米ぬか(コイン精米機で手に入る)
- 野菜くず(自分の畑で発生、農家さんから分けてもらう)
これらは日本全国どこの田舎でも無料で手に入れることができるでしょう。
事業者の知人からは油の搾りかす(荏胡麻油等を搾油する際に発生する)やビールの麦芽かす(搾りかす)をときどき分けていただいています。豆腐屋さんは生おから、酒蔵は酒粕と地域ごとの事業者特性によって集められる飼料も変わるでしょう。
他にも米の籾殻や製材時の木くずは鶏舎や産卵箱の敷料として利用することができます。自作した木造鶏舎は当時勤務していた材木屋の端材(品質基準を満たさずに規格製品化できなかった木材)で制作しています。飼料はもちろん鶏が暮らす環境整備も地域で余っているものを活かせるのが面白いですね。
なによりホームセンターでニワトリ用の配合飼料を購入しなくても、地域を見渡せばおいしい餌がたくさんありました。そしてニワトリは生ごみや未利用資源を食べることでは美味しいたまごを産んでくれます。配合飼料を与えるよりも臭みが少なくあっさりとした味わいになりますよ。
家庭養鶏で配合飼料に依存するとコスト高
地域の未利用資源を飼料化できることは分かったけど、配合飼料の場合はどれくらいの餌代が掛かるの?と疑問をもつ人もいるでしょう。ざっと試算してみたので参考にしてください。
雌ニワトリ5羽を飼育する場合
- 生産卵数 4個/日 *産卵率8割と仮定
- 必要飼料 1羽あたり0.13kg/日 計0.65kg
- 配合飼料 1袋20kg 2000円 *ホームセンターで購入可能
- 飼料費用 2000円×0.65kg÷20kg=65円/4個・日
たまご1個あたり・1日あたりの飼料費は16円
今日びスーパーマーケットでたまごを買うと1パック10個入で200-300円ですよね。つまり、たまご1個あたり20−30円です。
一方で配合飼料を毎日給餌するとたまご1個あたり16円の費用が掛かることになります。そうです。意外と高いんです。毎日の飼料を配合飼料に依存するとスーパーマーケットで卵を買うのと大差ないくらい飼料費用が掛かるので要注意です。
産卵率にこだわらず半ペット半家畜を楽しむ
ニワトリは半ペット半家畜の心づもりで飼育することをおすすめしています。飼料の量や栄養バランスに対してシビアになる必要はありません。
ニワトリは野菜くずや米糠を喜んで食べてくれます(生ごみが減る!)。おなかが減れば虫を捕まえて食べます(ムカデが居なくなりました!)。庭先の雑草も食べてくれます(草刈り機要らず!)。そしてニワトリが食べたものによってたまごの色味や味も変わります(美味しい!)。
毎週のようにスーパーマーケットで購入していたたまごが庭先で毎日手に入る喜びを味わうひとが少しでも増えれば嬉しいです。