鶏の暮らし
一群を小さく密度を低くした平飼い
平飼いとはケージ(鳥かご)飼いではなく、平らな地面の上で放し飼いの状態で飼育する方法です。自由に走り回れるので体力がつき、病気になりにくい健康な体に育ちます。
鶏は一日中地面をかき回したり、穴を掘り地面に体を擦り付けて砂浴びをしています。砂浴びによって羽毛についた汚れや寄生虫を落とし体を清潔に保っています。
わたしたちは現在640羽の鶏を飼育しています。一群を200羽と小さく設定し飼育密度は1坪あたり6〜7羽と一般的な平飼いよりも(極端に)飼育密度を低くしています。1羽1羽に十分に目が行き届く飼育がしたいからです。
鶏本来の生態に寄り添う環境づくり
木くずと籾殻を合わせた敷料
地域の森林資源を活かす木造鶏舎
中山間地の未利用資源を循環させる平飼い養鶏を実践するからこそ木造鶏舎にこだわりました。鉄骨造よりもローコストでありながらビニルハウスよりも耐久性を備えています。そして必要以上に品質を高く求めないことで地域産材を多用でき、他地域でも再現性が高い仕様にすることを目指しました。西粟倉村で育てられた木々を村の仲間が選び、伐り、挽き、刻み、建てました。チーム西粟倉村による自慢の木造鶏舎です。
建築に関わる村内事業者
- 選 定 ㈱百森
- 伐 採 ㈱木の里工房 木薫
- 製 材 ㈲山本材木店
- 建 築 ㈱さつき
- 造 成 ㈲小松組
杉・桧の間伐材を人工乾燥なし・グリーン材・背割なしで採用。構造に影響の少ない落ち・欠け・節も許容しています。木材規格は120mmが基準とオーソドックス。地域ごとの製材所の人口乾燥機能の有無や原木品質によってコストアップしない工夫です。
臭い汚い養鶏のイメージを覆す
養鶏場といえば臭い汚いというイメージが強いかもしれません。あながち間違っていません。
特にケージ飼いの場合は鶏糞が土に吸収されることなく湿った状態で集められるので悪臭が発生することがあります。平飼いの場合でも飼育密度が高過ぎたり、不十分な換気により鶏糞が乾燥せずに湿った状態になると悪臭を放ちます。
わたしたちは高屋根の四面開放型鶏舎で飼育密度を低く鶏を飼育しています。鶏舎内には日が差し込み、山から吹き下ろす風により鶏舎内が換気され、木くずと籾殻による敷料によって鶏糞の水分が吸収されます。鶏糞が湿った状態で残ることがありません。