【まとめ】有精卵を孵化させてひよこを飼育するための手順と用意するもの

Hello World!卵を割り出てはじめて世界とに触れたひよこ
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有精卵を孵化させ、ひよこを育てるために必要なものをまとめました。「ニワトリを育ててみたいけど、どうやってたまごを孵化させるの?」「餌は何をあげるの?」と疑問と不安が尽きない人への一助になれば嬉しいです。
 
羽田(代表)は2020年に家庭養鶏をはじめ、岡崎おうはん・名古屋コーチン・烏骨鶏・アイガモ…と40羽以上を自宅で飼育してきました。有精卵を孵化させ、ひよこを育て、たまごを収穫し、たまごを産まなくなった雌や肉が付いた雄は屠殺して肉を食べる…というサイクルを回しています。家庭養鶏がきっかけとなり、2024年には法人として平飼い養鶏事業もはじめました。
 

有精卵を孵化させる前に知っておくべき前提


有精卵を孵化器に入れる前に向き合って欲しい前提条件があります。
  • 有精卵を孵化させると(当然ですが)雄・雌がどのくらいの比率で産まれるか分かりません。雌だけ飼育したいという人は雌のひよこか雛を購入してください。
  • すべての有精卵が孵化するとは限りません。そして、産まれたばかりのひよこは寒さに弱いです。慎重に温度管理をしてください
  • 孵化後1ヶ月ほど経たないと雄・雌の推定ができません
  • 孵化後1ヶ月頃までは屋内飼育が可能ですが、次第に飼育箱を飛び越えるようになるため、孵化後1ヶ月以降は屋外飼育が必要になります
  • 雄はもちろん雌も鳴きますので事前に近隣住民に説明し理解を得てください
 

有精卵孵化からニワトリ飼育までの流れ


有精卵を加温し、ひよこが産まれ、ひよこ→雛→ニワトリと育ち、ニワトリがたまごを産み始めるまでの流れは以下です。
 
  1. 有精卵の購入
  1. 孵化器に有精卵をセット 定期的な転卵→検卵
  1. 鳥小屋の製作 屋内用(段ボール)および屋外用(木造)
  1. ひよこの孵化 21日で孵化
  1. ひよこの屋内飼育 孵化後1ヶ月まで。ひよこから雛へ成長
  1. ひよこの屋外飼育 孵化後1ヶ月以降。青草や虫を食べ始める
  1. たまごの産卵開始 孵化後5−6ヶ月以降
 
把握しておくと良いのは、21・30・150という3つの数字です。
  • 21日 有精卵を加温しはじめてからひよこが産まれるまでの日数
  • 30日 ひよこが産まれてから屋内飼育→屋外飼育へ切り替える日齢の目安
  • 150日 ニワトリがたまごを産み始めるまでの日齢の目安
 

有精卵孵化とひよこ飼育で用意するもの


購入するもの

  • 有精卵 養鶏場から有精卵を購入する。産みたての無洗卵だと良い。我が家で産まれた有精卵で孵化させると孵化率はおおむね90%を越えます。購入した有精卵だと孵化率50%に満たない時もあります。有精卵の購入する養鶏場の雄雌の飼育比率と鮮度に気をつけるべし
  • 孵化器
    たまごが10個以上入るもので自動転卵機能付が好ましいです。こまめな転卵が孵化率アップのキモ。1時間おきにアームが回り転卵してくれるので手回しする必要がありません。孵化器に入れて37度で温めつつ、転卵を繰り返すと21日後に孵化します。逆算して休日が21日目となるタイミングで孵化を開始すると孵化のサポートがしやすくなります
  • SwitchBot 温湿度計 スマホで確認できるスマート温湿度計。まずは孵化器に入れて利用。孵化機内の温度37度前後・湿度50〜70%に維持する必要です。中華製の孵化器は表示温度と実際の温度が異なることが多いので(特に冬などは)要注意。孵化後は段ボール鶏箱に入れて温度管理に利用。孵化が終わっても家庭で使えるので便利ですよ
  • 保温電球 孵化後1ヶ月までの屋内飼育時に使用。人間には快適な室温25度前後でもひよこにとっては寒い温度になってしまいます。
  • ひよこ用の配合飼料 一般的な成鶏用の配合飼料は粒が大きくひよこが食べにくい。粒が小さいひよこ用を購入する
 

無料で手に入るもの、家にあるもの

  • 発泡スチロール(孵化器の断熱用) 孵化器を入れる。孵化器の表示温度と実際の温度差を埋めることが目的
  • 懐中電灯(ペン型) 有精卵の検卵時に利用。孵化開始後6日目/12日目/18日目の3度程度の検卵をすると成長が分かりやすいです。検卵を長時間実施するとヒヨコの孵化率に悪影響を及ぼすとのこと(眩しい?)で手際よくおこないましょう
  • 段ボール 飼育箱。厚みがあり3辺合計160サイズ等の広く高さがあるものが好ましい。日齢15-21日になると元気に飛び跳ねるので脱走注意。ホームセンターで安価に購入できる透明プラ製コンテナボックスや衣装ケースで代用しても良い。透明なので視認性は高いが段ボールより断熱性が低い
  • 敷料 飼育箱底部が糞で汚れたり飲み水で濡れたりするため、底部に新聞紙を敷き、籾殻や木屑を入れると良い。棒状の正常便だけなら良いのですが、褐色・液状の盲腸便(通称チョコ糞)は匂いもあるため飼育箱が汚れてしまいます。こまめに糞を取り除いてあげないと糞の上をひよこが歩き回り足や胸元が糞で汚れてしまいます。籾殻や木屑が糞の水分を吸ってくれるためメンテナンスが楽になります。ペットショップにハムスター等の小動物用の床材(紙や木材チップが原料)が販売されているので代用可能
  • ぷちぷちシート 飼育箱の断熱および脱走防止用。洗濯ばさみで段ボールの縁に固定して天井代わりにすると良い
  • 2Lのペットボトル+不要なタオル 飼育箱の保温用。ペットボトルにお湯を入れてタオルを巻いて飼育箱に入れる。夜間の冷え込みで保温電球だけでは温度を保てない場合に利用する。
  • 餌皿および水飲み皿 ひよこが皿の中に入ってしまうので中に入っても出られる深さと表面がツルツルし過ぎていないのものを選ぶ。またひよこが皿縁に乗っても倒れない程度に重心が低いもの
 

孵化率アップや死亡リスク削減に紐づく道具に投資する


家庭養鶏で頻度高く孵化させることは少ないので予算はかけたくないものです。できる限り家にあるものやもらえるものではじめるのがおすすめです。一方で孵化率アップやひよこ死亡リスク削減に紐づくものにはしっかり投資するのが安心です。
 
  • 有精卵の品質 有精卵を仕入れる養鶏場の雌雄比率や鮮度の家訓。無洗卵購入が可能か
  • 自動転卵機付の孵化器 まめな転卵が孵化率アップにつながるので1時間おきに転卵してくれるものが良い。また一度に10個1パック分が入るサイズの孵化器が好ましい
  • SwitchBotで適切な温度管理 (表示温度と実際の温度が異なる場合があるため)孵化機内の温度湿度管理に注意する。真冬の夜など気温が下がりやすい時期に飼育箱の温度を適切に管理する。SwitchBotを使えば出先や夜間でもスマホで確認できる